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つれづれ
by madrugada
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クーリエジャポン

クーリエは講読中。
よく手の込んだ雑誌だと思う。あれは月二回発刊でも早いほうだと思う。

ただ問題点も。

セレクトする記事の「代表性」について。世界中の新聞や雑誌をかき集めてるわけだから、同じニュースに関してもメディアの数だけ多数の記事がある。そんな玉石混交の記事から、どうしてその一つを代表として選び、クーリエに載せるのか。その意図が測りかねる記事が散見される。
例えば、ボリビアで初の先住民出身の大統領が誕生したという、ボリビアの新聞の記事。モラレスの来歴や主義主張、ボリビア社会の現状、政策の行方、米国との関係など、なんか日本の新聞でも読めそうな内容のオンパレード。なぜワシントンポストやタイムズ、ルモンド、あるいは読売新聞ではなく、現地の新聞をセレクトしたのか。意図が不明確。臨場感?特に感じません。現地新聞ならではの記事の魅力っていうのが伝わってこない。
スピルバーグの新作「ミュンヘン」に対する、イスラエル新聞の批判的記事は面白かったけど。現地の新聞をピックアップする意味があるね。

あと、ある話題について、もう少し比較・相対化の試みが欲しい。例えば、日本の皇位継承問題にかんするスペインの主要紙エル・ムンドのコラム。この新聞は保守寄りで、まあ日本で言えば読売新聞だ。これに対してエル・パイースというリベラル傾向の主要紙がある。紙幅の都合上ムリだろうが、皇位継承問題に関するエル・パイースの論点も簡単に触れるべきではないだろうか(まあエル・パイースがこの問題を取り扱っていればの話だけど。)
これだと、スペインメディアの大勢がエル・ムンドみたいな見方をしていると、暗黙裡に刷り込まれちゃうよ。

あと海外の学者や知識人たちのコラムを載せるべきだ。無理か。

まあ、まだ生まれたばかりの雑誌だから、これからどう改善・変革されていくのか楽しみではアル。そして、「面白ければ右も左も関係ねえ!」っていう講談社の姿勢が好きだ。よく言えば自由で中立的。悪く言えば節操がない、浮ついている、商業主義等々…
# by madrugada | 2006-01-13 22:43 | 書評

最近の小学生殺害事件について

広島県安芸市の女児殺害事件に続いて、栃木県でも小学校1年生の女の子が殺害されました。栃木県の女児は防犯ブザーを携帯していたという。しかし、通学路は田畑や雑木林に囲まれ、民家も隣接していない人気のない場所。仮に鳴らしていたとしても、ブザー音が人の耳に届いていただろうか…。なにをやっても襲われるときは襲われる。そんな投げやりな思いも抱いてしまう。
2001年の大阪府池田市児童殺傷事件以来、「学校と通学路の安全神話」は完全に崩壊した。自治体や地域、学校、家庭は、子供の安全を守るため、様々な対策を講じた。集団登下校や保護者による送迎をはじめ、防犯ブザーの携帯、さらには教室内に犯人捕縛用の「さすまた」まで設置された。送迎バスを導入した自治体・学校も少なくない(新潟県加茂市とか)。監視カメラの設置、ICタグの携帯など、これから実用化されていくかもしれない。また、「知らない人について行ってはいけません」という、児童自身の防犯意識の徹底化も望まれる。
これだけ凶悪な児童殺傷事件が続けば、こうした安全対策に躍起になるのも当然だろう。しかしリスク軽減の代償として、地域や学校、家庭における監視社会化が進む。そうした状況が子供の発育にもたらす影響、リスクがなおざりにされてはならないだろう。「安全」と「自由」のバランスは難しい。

さて、被害者の防犯意識を高めたとしても、被害をゼロにすることはできない。なぜか。潜在的加害者がいなくなるわけではないからだ。監視され、自由を奪われた潜在的加害者の精神はどこに向かうのか。はけ口がなくなり、欲求不満が蓄積され、さらに過激な無差別殺戮へと向かうのではないだろうか。
子供が安心して登下校することができる環境つくりと同時に、潜在的加害者が加害者へと転化しないような環境つくりも目指さねばならないのではないか。例えば、今回のペルー人のように、日本に出稼ぎにやってきたはいいもの、ろくに言葉も話せずコミュニケーションに問題を抱え、その結果、ストレスや社会的不満を鬱積させていく在日外国人はたくさんいるだろう。日本人も同様だ。彼らの心のケア、サポートは可能なのか。要するに、彼らの内面を変えていくことによって、犯罪のリスクを減らすという方法だ。
最近の議論には、こうした視点が抜け落ちているように思える。確かに防犯対策の徹底は最優先すべきだが、それのみに偏りすぎているんじゃないか。

次回は、監視社会と「秘密の消滅」について。
# by madrugada | 2005-12-05 07:59 | 時事

移民問題について 2

西日本新聞のルポが面白い。
パリ郊外の移民にインタビューしている。
このインタビュー、軽く読み流せそうな内容にも見えるが、
今回の暴動の性格を言い当て、かつ予防策のヒントを与えてくれる。

「でも失業が暴動の原因だとは思わない。警察に何度も呼び止められて、若者は頭にきているのよ」

「この地域はスポーツ施設など発散できる場所もない。学校で落ちこぼれ、仕事もない若者は、石を投げ、車に火をつけて楽しんでいる」


今回の暴動の本質的な原因は、貧困、高失業率、差別、不衛生な環境、教育の不平等など、
多岐にわたる複合的なものである。いわゆる「郊外問題」として一括されるが、これは何もフランスに限ったことではなく、程度の差はあれ、移民を抱える国家に共通した問題である。
解決策は、当然のことながら、政府や市民団体による補助金助成、雇用創出、教育・福祉サービスの拡充、都市環境の整備、そして言語教育を軸にした同化政策である。ちなみに同化政策を遂行するには、受け入れ側社会の意識改革を同時並行させる必要もあろう。
こうして列記してみると、やらねばならないことは本当に多い。それに一朝一夕に成し得ることではない。長期的な計画と、それなりの資金、持続的な忍耐力(受け入れ側、移民双方にとって)が必要になる。しかし、移民問題を解決するには、それだけの時間と労力が必要だろう。

では、もっと短期的・安上がりな対処法はないものか。
少なくとも今回のような暴動が勃発するリスクを下げる、ちょっとしたアイデアはないか。

そこで、このルポのインタビューが活きてくる。
今回の暴動の本質、背後にある根本的原因は上記の通りだ。
が、「貧しい生活」に不満と怒りを覚え、暴動にまで発展させるかどうかは個人の問題である。
今回の暴動の主役は若者たちである。郊外に居住する移民が一斉蜂起したわけではない。
このルポのインタビューに答えた人々は移民だが、暴動には参加していない。

もしも移民問題を根底から解決したいのならば、「暴動」という手段は、むしろ逆効果である。
政策提言をまとめ、署名を集め、パリ中心部にまで向かってデモ行進でもした方が、よっぽど効率よくローリスクで、政府や世論にアピールできる。
今回の暴動の性格は、移民が自分たちで問題を解決しようとする組織的・合理的なものではなく、不満や鬱憤を発散させているだけといえる。カーニバル的というか、お祭り騒ぎの面も強いんじゃないか、と映像や記事を読むと伝わってくる。

この「不満」を「とりあえず」押える。
不満やストレスの「はけ口」を作ることだ。
例えば、「空間」を作る。スポーツ施設、ゲームセンター、映画館など、エンターテイメント施設の造成である。高層アパート群が密集し立ち並んでいるという性格上、難しいかもしれないが、開かれた公共の広場・公園を作ってみるのもどうか。閉塞的な環境は、同じく閉塞的な精神状態を生むからだ。密閉的な空間は、麻薬取引や犯罪の温床となる。


不満やストレスを発散させる、脇にそらすことで
暴動という巨大なエネルギーにまで発展するリスクを減らす。
移民問題の根治治療の努力はもちろんだが、
このようなちょっとした「はけ口」作りができないか、アイデアを絞る必要もあるだろう。
# by madrugada | 2005-11-11 07:41 | 時事

フランス移民暴動について

フランス移民暴動、そろそろ収束してきました。

暴動が収束してからが大変なわけで。
フランス、さらにドイツやらオランダ、スペインなどの「移民大国」が
自国の移民問題にどう対処していくかが見もの。
郊外への移民の集住、貧困、差別、高失業率、教育の不平等といったフランス移民をめぐる状況は、程度の差はあれ、どの国も抱えている問題なので。

極右勢力(フランスに限らず)にとっては、今回の暴動は願ったり叶ったりなのかも。
移民排斥を正当化しやすい環境が生まれるから。ルペン(フランスの極右政党指導者)はまだ公式な発言をしてないみたいだけど、どこまで彼の支持率に影響してくるか。
低下することはまずないだろう。まさに濡れ手に粟。

そうなると、トルコのEU加盟問題なんかにも波及していって、あーだこーだモメるわけです。
EUがさらに拡大すれば、よりいっそう人の域内移動が活発化する。
その結果、自国に移民が雪崩れ込んでくるリスクが高まる。
今回の暴動って、こういうモメ事の連鎖の発火点というか、出発点になりそうだな…
と、まあ稚拙な予測ですが…。

ちなみに、地元のフランス人はそこまで戦々恐々とはしてないらしい。
殺人やテロが目的なわけではないから。
若者主体のストレス発散型、実力アピール型の暴動なんだろうな。
まあ、どっちにしろ地元の人間にとっては迷惑極まりないし、
移民にとってもメリットないような。むしろ自分で自分の首を絞めてるのかも。
# by madrugada | 2005-11-10 22:22 | 時事

さて

ブログ再開でございます。
ひっそりと。
# by madrugada | 2005-11-10 22:20 | 思ふこと